Vol.4 いす式階段昇降機の仕様と法的規制

いす式階段昇降機の基本的な仕様

まずは、こちらのいす部の仕様をご覧ください。
いす式階段昇降機の仕様はどのメーカーのものも基本的に同じです。違いがあるとすれば大きさやデザイン、乗り心地になるでしょう。ですから、昇降機の設置を検討する時は実際に試乗して確かめてみることをおすすめします。

「もう少しスピードって上げられないの?」……これは、いす式階段昇降機を試乗された方からいただくことが多い質問です。たとえば、1階から3階までといった多層階の場合、階をまたげばまがぐほどレールは長くなりますので、移動時間を少しでも短くしたいと思われるのは当然ですよね。

しかし、いす式階段昇降機のスピードは建築基準法の中の法令によって定められているため、変更することはできないのです。なぜ建築基準法なのか、不思議に思われる方も多いでしょう。
いす式階段昇降機は福祉用具なのですが、法令上では特殊な構造のエレベーターとして位置づけられているのです。
ですから、現在国内外の主メーカーは、この法令に則った仕様のものを製作しています。

たとえば……
●建設省告示第1413号
階段の部分、傾斜路の部分その他これらに類する部分に沿って1人の者がいすに座った状態で昇降する昇降機で、定格速度が9メートル以下のもの、令第129条の6第一号及び第五号並びに第129条の7第四号の規定によるほか、次に定める構造であること。

イ 昇降はボタン等の操作によって行い、ボタン等を操作し続けている間だけ昇降する構造であること。

ロ 人又は物がかごと階段又は床との間に強く挟まれた場合にかごの昇降を停止する装置が設けられたものであること。

ハ いすからの転落を防止するためのベルトが設けられたものであること。

つまり、「いすの速度」、「押し続け式ボタン」、「自動停止装置」、「シートベルト」は法令で定められた仕様なので、スピードを今の倍にしたり、一度ボタンを押したらずっと動くようにしたり、自動停止装置を意図的に外したりするような改造・改変はできないのです。もちろん、いすそのものを改造して、荷物が置けるような台を代わりに据え付けるなどのいすそのものの改造・改変も認められていません。

次回は、いす式階段昇降機を製造しているメーカーさんのご紹介です。